メッセージ。 - 『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』を観た

# 『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』を観た

フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白という映画DVDを借りてきて観た。ケネディ/ジョンソン時代の国防長官として活躍し、第二次世界大戦やベトナム戦争などに間近で携わったというマクナマラ氏。この映画では、85歳になったマクナマラ氏にインタビューし、氏が経験から得たという11の教訓を紹介する。

「人は善をなそうとして悪をなす」という言葉で検索していてたまたま見つけた映画。若くしてフォードの社長に抜擢されながらも、わずか数か月でそれを蹴って国防長官になったマクナマラ氏。アメリカを代表する超エリートの一人だろう。でも、そんなアメリカの超エリートが85歳になって人生を振り返る言葉には、東洋的な無常観に似たものがあって興味深いなぁと思った。

「人は善をなそうとして悪をなす」以外にも、「これで負ければ我々は戦争犯罪人だ」、「目で見た事実が真実であるとは限らない」という言葉が重い。国を動かし、多くの人の命を預ってきた人間が、齢を重ねるにつれ自分の無力さと罪にうちひしがれるのは、どんな気持ちなんだろう。社会的制裁を怖れてか、必要以上に自分の罪を認めたくないようだったが、その声は涙に震えていた。

戦後時間が経って、当時アメリカとベトナムの高官だった人たちが懇談会を持ったときのことも語られていて、そこでのやりとりも興味深い。冷戦のさなか、共産勢力の拡大を防ぐという観点でベトナムに介入していたアメリカは、北ベトナムの人がなぜあれほど抵抗するか理解できなかった。

「なぜあそこまで抵抗したのか? あのままいけば、ベトナム人は最後の一人まで失うかもしれなかったのですよ」と言うマクナマラ氏。かつてのベトナムの高官はこう答えたそうだ。「あなたは歴史を知らないのか」。「我々はもう何百年もの間、中国からの攻撃に抵抗して戦っているのだ。最後の一人になったとしても、我々は独立のために戦っただろう」。
2009-02-06 17:26:09 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

Comment

コメント投稿機能は無効化されています。

Trackback

TrackBack投稿機能は無効化されています。