メッセージ。 - にゃー

# にゃー

最近、カメラの楽しみ方(たくさんあるだろううちの一つ)が少し分かってきたような気がする。いままでは、基本的に「どうして思ったものがそのまま撮れないんだろう」「どうして目で見たものがそのまま撮れないんだろう」と思っていた。でも、ようやく最近分かってきたことがあって、それは「カメラと人間の目や脳は特性が違う」ということ。

ぼくがカメラに求めていたのは、僕が感じた心地良さやせつなさや、思い出に残っている『光景』であって、それは光だけでは構成されていない。音や匂いやあたたかさ、寒さや言葉や感情、つかれや思いや時の流れがないまぜになってそのときを構成している。だから基本的に、光を記録する機械では、それらを記録できない。その機械にできることがあるとしたら、ぼくの中にあるそのときの記憶を呼び覚ますような「写真」だ。それがどれくらい可能なのか、なぜそういった写真をいまぼくがうまく撮れないのかは、まだよく分からない。

一方で、「カメラというのは、ただ光を記録するための機械なんだ。人間とはまったく特性が違うんだ」と割り切ってしまうと、それによって得られるものがあることにも気づく。たとえばカメラは時間を止めることができる(人間の目で見えないほど短い時間に起こったことを見える形に記録できる)。望遠レンズを使えばとても遠くが見えるし、圧縮効果で空間を誇張することもできる。広角レンズも同様に、空間を誇張したり、普段見ることのない視点から風景を残すことができる。

そう考えると、それはそれで面白い。それはもはや、絵を描くことに近い。
2019-05-16 21:00:04 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

Comment

コメント投稿機能は無効化されています。

Trackback

TrackBack投稿機能は無効化されています。