メッセージ。 - 0.999...は1か

# 0.999...は1か

 
 1/3は0.333… 2/3は0.666…では3/3は0.999…でなくてなんで1になるんでしょうか。子供の頃からずっと疑問に思っていました。
 僕は典型的な文系人間なので、そんな僕にも理解できるように、なるべくわかりやすくお願いします。

少し前にはてなブックマークで話題になっていたやつ。ふと思い出して、考えてみたくなったのでメモ。ポイントは、0.999...は1であるか否か、なんだと思うんだよなぁ……。リンク先のリンク先(Wikipedia?)では、0.999...=1が数学的に証明されているらしいけど、どうも腑に落ちない。

それにしても、これはいい疑問の持ち方だと思う。ふとした疑問を、「なぜだろう?」とずっと考え続けるというのはすごくいい。(「すごくいい」ってのは、「いい」の定義があいまいだけど。とにかくぼくはこの人の精神の有り様が好きだ。)
2006-10-31 09:08:35 / ふじさわ / Comment: 11 / Trackback: 0

Comment

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この話で問われているのは、「0.999...=1かどうか」じゃなくて、「何を以って『わかった』と言うか」ってことなんじゃないか、と思います。

「0.999... = 1」に疑問を持つってことは、「0.999...」と「1」が別のものって感覚があるわけですよね。実在感というか。そういう感覚で見えている世界というものがある。

一方で、「0.333....」=「1/3」=「数直線上の一点」=「複素平面上の一点」みたいな感覚で見える世界ってのがあって、そういう目で世界を見ていると、「0.999...」=「1」なのは別に議論するようなことでもない。どっちももともと同じ点という実在感がある。それを表記する時にややこしくなってるだけで。

わかるということは、前者から後者に、世界観がシフトすることなんだと思う。

どんなに言葉で説明されても、「0.999...」が数字の羅列にしか見えていない限り、決して納得出来ないんじゃなかろうか。数学的な点とか平面とか、純粋に抽象的な概念に実在感を持てるかどうか、がポイントな気がする。


2006-10-31 12:39:10 / shiro / Comment: 0 / Trackback: 0

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ううむ。難しいですね。

「何を以って『わかった』と言うか」ですか……。実はぼくは、あのページを途中まで流し読みしただけでして、まだきちんと考えられていないので、コメントを保留とさせてください。

shiroさんからいただいたコメントを読んでいても、「自分はどこまで分かってるんだろう?」と自信がなくなってきますし(笑)。抽象的な概念に実在感かぁ……。頭のいい人はうらやましいなぁ。

まぁいずれにせよ、こういう話題で盛り上がれるのは楽しいことだと思います。
2006-10-31 17:56:48 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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あれ? むむむ。
さぬきうどんを食べながら考えていて、ちょっと分かった気がしたのだけどなぁ。
帰ってきてshiroさんのコメントを読み返したら、やっぱり分かっていなかった……。

でもまぁ一応、考えたことを書いてみます。
1/3(3分の1)というのは、値としては架空のものなんですよね。
純粋に1/3という値は存在しない。

1/3というのは、「1を3で割ったら」という「値と操作の組み合わせ」だよと。
2/3というのも、同様に「値と操作の組み合わせ」です。
3/3というのも、「値と操作の組み合わせ」です。

ただ、たまたま3/3というのは、「値と操作の組み合わせ」を実行して「値」に変換できる、と。

そのほかのケース、たとえば「1/3」=「1を3で割ったら」というのは、実行しようとしたらいつまでたっても計算が終了しない。「2/3」も同様。

「0.333... + 0.333... + 0.333...」というのは、いつまでたっても計算が終了しないものどうしの足し算ということで、素直に計算したら「=1」にはならない。いつまでも計算が終了しないから。言うなれば「0.999...」のようなものになりそうで計算が終わらない状態だよと。

でも、「1/3 + 1/3 + 1/3」というのは、「値と操作の組み合わせ」3つを合成することであり、合成結果はたまたま「(実行して値に変換できる)値と操作の組み合わせ」になる。

うーん。わけわからなくなってきたけど、要は「計算を実行する順番によって結果が変わる」ということで、「1/3」を「いちわるさんだ!」と飛び付いて計算を実行してしまっては答にたどりつけないよ、ということじゃないかなぁと思いますた。

あの質問で問われている問題の本質は、「0.999...は1か?」ではなくて、「1/3は0.333...か?」なのかなと。いや、違うか。「1/3は値ではなくて値と操作の組み合わせなんですか? 0.333...というのも同じですか?」という問いなのかなぁ。

複素平面上の一点みたいなのには程遠いけど、なんとなく一歩前進した気がする。と思いたい。
2006-10-31 20:59:19 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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哲学的な話まで踏み込まずにナイーブに言うと、「純粋に1/3という値は存在するじゃん」と素直に思えるかどうかってことです。養老孟子か誰かが書いていたけれど、数学者っていうのはこういう抽象的存在が、物理的実在と同じように主観的には存在してると思えているようですよ。

で、「原点から+方向に単位距離だけ離れた点」というのもまた、自分が実在しているのと同じくらい主観的には確からしく、存在しているんです。その点を呼ぶ名前として、1とか0.999... とかいうものがあるけれど、それは名前にすぎない。それらが指している実在は、主観的に存在するあるひとつの点なんです。

「操作」とか「計算」なんて話は(納得するためには)要らないんです。説明の便宜で使うかもしれないけれど。

ちなみに0.999...とは関係ありませんが、「虚数」というものに実在感を感じられるかどうかってところにもひとつ壁があるかも… 「虚数」ってのは学校の説明では「本当は無いんだけれど、便宜的に導入された数」みたいに説明されて、多くの学生を混乱に陥れるのだけれど、数学好きの人にとっては1もiも同じように実在するものです。
2006-11-01 13:52:19 / shiro / Comment: 0 / Trackback: 0

# 話の腰を折ってしまってすいませんが…

僕なんかは (抽象,連続系) 数学も物理も全然わかんないデジタル離散っ子で,虚数とか量子力学とか実感わかないしあんまり納得もできてないんですが.

虚数やトンネル効果が無いと,今この手に取っているパソコンも携帯電話も何で動いているのか説明できないんだよなぁ… とか考えると,いろいろ不思議な気がします.

僕たち普通の人にとっては,虚数や量子なんかが物理的実在の「影」という感覚なんですが,それは単に幼い頃から慣れ親しんでいて,脳に刻み込まれた第一原理になっているから.

その抽象世界に住んでいる歴史の方が長くなってくると,感覚が逆転するのかもしれません.それは全然特殊なことではなく,単にどっちに慣れていて,どっちをリアルに感じるかというだけのことで.

ここらへんの話には,この本が素晴らしいと思います.
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4486014855
2006-11-01 17:39:41 / あろは / Comment: 0 / Trackback: 0

# うーん。難しいけど、...

うーん。難しいけど、興味深いなぁ。

とりあえず思ったことは、「0.999...って存在するんだろうか。不思議だなぁ」って考えるならば、「1だって不思議だなぁ。1って存在するんだろうか」という考えにすぐ至ってしまって不思議じゃないということです。

たぶんshiroさんがおっしゃっているのは、まさにこういうことで、「0.999...も1も不思議」っていうのを反転させて、「1は不思議でないのだから、0.999も不思議でない」というような感覚が、数学者の実在感なのだと解釈しました。

あと、興味深くて不思議だなぁと思ったのは、shiroさんもあろはさんも、「実在」という言葉を素直に使われていることです。かなり抽象的な概念で、人によって捉え方も違うと思われる「実在」が、別の意見のなかでスッと出てくるってのは面白いです。

「1は存在するんだろうか?」という自明なことが自明でないような感覚と、「自分は存在するんだろうか?」という自明なことが自明でないような感覚は同一だよということですよね。後者はまさに実在で、実在というものを、自分のなかでどう消化というか止揚しようとしているか、という態度が似ているのかなと思いました。
2006-11-01 19:39:18 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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このネタの場合, 「考え続ける」のは筋違いじゃないですか?

(既存の)「数学」の話をしているんだとして,
これが納得いかないのは, 「0.333…」という記法の定義を
ちゃんと知らないからのはず.
「0.333…」という「知らない言葉」が入った話は,
まず言葉の意味を調べないと始まらないですよね.

既存のものでないオレ数学を組み立てようとしているなら別ですけど…
2006-11-04 06:46:14 / hira / Comment: 0 / Trackback: 0

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hiraさんのは原則に則った答えだと思いますが、出発点での知識が十分じゃないと、定義を調べはじめたらもっと多くの知らない単語が出てきて…ってかんじで発散しちゃう場合がありますよね。

こういうの、とりあえず自分を納得させることができるくらいの「仮の足場」を組み立てつつ進んで行くほうが現実的かなあと思います。

ただそういう理解の過程で、「世界観が置き換わる」ことを許容しないと進めない壁ってのがいくつかあって、0.999...問題もそのひとつかなと。そういう壁の典型的なものは相対性理論とか量子力学ですが。複素関数論もちょっとそんな感じだったかなあ。
2006-11-04 10:45:36 / shiro / Comment: 0 / Trackback: 0

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ええ, そうなんですが, それが仮であるという自覚を
質問者さんがちゃんと持っているのか気になりました.

・仮はしょせん仮. 本当に自信を持って判断するには定義まで戻るしかない.
・うまい「仮の説明」ができるときはいいけど, 問題によっては無理なこともある.

0.999…みたいな微妙な話を「わかりやすい説明」で白黒つけようとするのは,
無いものねだりじゃないですかねえ.
他にも, 「点の面積はゼロ(無限小ではなく)」や
「一辺 1 の正方形から縁を除いた図形の面積も 1」あたりは難しそうです.

2006-11-04 20:21:20 / hira / Comment: 0 / Trackback: 0

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hiraさんどうもです。

ちょっと考えてみたのですけど、この問題も難しいですねぇ……。
「質問者さんがどういう意図であの質問を出したのか」というのは、
結局あのページだけじゃ情報量が少なすぎるような気がします。

で、そういう風に情報が少ない段階で、「登場人物がどういう
気持ちや意図を持っていたか」と考えても、「自分だったら
こうするのに」という結論しか出てこないと思います。

たとえばぼくは、質問者さんを好ましく感じると書きましたけど、
それはぼくのスタンスが質問者のスタンスに似た面があると感じた
(感情移入した)からなんですよね。

たとえばぼくは、0.999...みたいなテーマを、学問として
追究したいのではなくて、自分で考えてみたいです。
考えるのが好きなので、考えたい。すごく面白いテーマだと感じます。
答を教えてもらうのは、悔やしいんですよね。
だから、答を知りたいわけじゃない。それが目的ではない、と。

hiraさんは、「オレ数学を組み立てようとしているとしているなら
別ですけど」と書かれましたが、これはうまい表現だなと思います。
人間は誰でも、オレ数学というか、オレ哲学を組み立てて生きて
いるのだと思います。

ぼくはこの質問者さんにとって、0.999...はオレ哲学の範囲なんじゃ
ないかと解釈しました。「数学を勉強するつもりはないけど、
知りたい。不思議だな」という感じなのかなぁと。

質問者ははてなで質問を投げましたけど、たぶん答が知りたいわけじゃ
なかったのではないかと、ぼくは想像しています。ずっと考えて
きた質問の答えを、今日知りたくなったというわけではなくて、
スフィンクスが旅人になぞなぞを出すような気持ちで質問をしたのじゃ
ないかなと。

hiraさんやshiroさんが論じていらっしゃる、数学や学問上の
理解の特異点みたいな問題もすごく面白いと思います。
ぼくなんかからはすごく高度に見えて、とてもついていけないの
ですけど、それぞれが興味を持つポイントというのがあって、
それはそれで興味深いです。

今回のケースでは、質問者はここにいない人で意図をはかり
かねる面がありますし、あまり追究しないほうがいいかって
感じにぼくは思っとります。# 問題をあいまいにする方向ですんません。
2006-11-05 13:13:51 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

# 本の紹介です

1=0.999...ではない。という問題に真正面から取り組んだ著書です。
興味のある方は読んでみてください。読んでみて納得できると思いま
す。太陽書房からの出版です。下記URLに入れば直接出ます。
これは1年ちょっと前に出版されたものです。中々興味のもてる事柄
で難しい問題でもあります。多分、この著書が、あなた方の疑問に十
分な回答を与えてくれるでしょう。必見です。
 今日は紹介まで。

 http://www.taiyo-g.com/shousai72.html
2006-11-18 05:38:47 / guest / Comment: 1 / Trackback: 0
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