メッセージ。 - [社会] どうして最近の若者は結婚しないのか?

# [社会] どうして最近の若者は結婚しないのか?

んー、これ前に書いたっけかな?

先日、といってもだいぶ前だが、親戚一同が集まる法事があって、食事の席でおじさんから「どうしてあなたは結婚しないの? 最近の若い人は結婚しないの?」と尋ねられた。例によって、そのときはうまく説明できなかったのだけど、でも答えはボンヤリと頭の中に浮かんでいた。

結論としては、若い人が結婚しないのは当然だ。たとばぼくの場合でいうと、ぼくの親父は家を継がなかった。親父の実家は商家をしていて、親父はそこの長男だった。ならば(彼らの価値観で言うと)当然親父は家を継ぐべきだった。なのにどうして継がなかったのか?

それがまさに、「どうして若者は結婚しないのか?」に対する答えだ。「どうして彼らは家を継がなかったのか?」、自分で考えてみればいい。考えてみて答えが分かるなら、「どうして若者は結婚しないのか?」も分かる。というか、当然そのぐらいは彼らも薄々考え、結論に至っているだろう。

「どうして彼らは家を継がなかったのか?」と「どうして若者は結婚しないのか?」は、ある程度同じ意味を持っていると思う。どうして彼らが家を継がなかったのかというと、それはやはり、「家」という制度が時代の中で合理性を失ってきていたからだ。若い人たちが都会に移り住み、小さな商家というものが、大きなスーパーや郊外型のお店に飲み込まれていくことが見えていたからだ。

だから親父は商家を継がずサラリーマンになった。質問をしてきた当のおじさんも、実家の店をもう畳んでしまっている。彼らは、頑ななまでに「家」を守ることをしなかったのだ。ならば、家がないのに、どうして結婚する必要があるのか? 彼らの言う「結婚」というものは、「家を守る」ことを含意している。旧来の「結婚」は、ベクトルとして「家(家系)を守る」ことと一致している。だから、彼らがやってきたことと、ぼくらがやっていることは、そう違いがない。

ここ数十年(あるいは百年以上?)人々は都市に移り住み、その過程で家を捨てさった人も多い。守るべき家を捨てたものが、「どうしてあなたは家を捨てるのか?」と尋ねても仕方がない。彼らだって分かっているだろう。そういう流れなのだと。「家(家系)」という価値観、「結婚」という価値観は薄れつつある。それらは合理性や文化という点で解体され続けている。若者が結婚をしなくなったのは、突然始まった断絶によるものではない。
2010-02-08 12:59:25 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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