メッセージ。 - にゃー

# にゃー

「どうして人を殺してはいけないか?」って、こういうことじゃないかな。

「それが現時点であなたに与えられたルールだから」。

たとえば、あなたが戦争に行くとする。するとそこではこう命じられる。
「敵を殺せ」と。つまり、「人を殺してはいけない」というルールは一部変更される(味方を殺していいわけではないので、「一部」と呼ぶ)。

ここでいう「ルール」というのはその程度のものだ。国や社会がそのときどきで人々に課すもので、ときと場合によって変わりうる。絶対的なものとは異なる。

いやいやそうはいっても、日本国憲法には「戦争の放棄」が規定されているので、日本人である場合は戦争になっても「敵を殺せ」とは命じられないだろうという意見もあるかもしれない。

しかし、日本は現在でも死刑制度を採用していて執行もなされている。つまり、日本人は合法的に人(日本人)を殺している。よって、質問の前提となる「人を殺してはいけない」というルールはすでに、日本では100%の形で成立していない。日本の法や実態としての法運用は、(国家の名においてならば)「人は人を殺してもよい」と規定している。

つまり、国家は暴力の権利を保持していて、かつ国家は個人から暴力の権利を剥奪している。私刑の禁止であり、逆にいえば「公刑」は肯定されている。個人的な(私刑のような)形で人を殺すことは許されないが、団体としては国家の命があれば人を殺すことはできるというか、命じられれば殺さなければならない。

実際問題、いまも死刑が執行されるたびに、日本の人口マイナス一人分の1だけ、あなたも私も人を殺していることになる。あるいは、世界のどこかで戦争で人が死んだり死刑が執行されたりするたびに、あなたも私も何億分の1か人を殺しているともいえる。
2021-11-01 00:33:01 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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