メッセージ。 - アメリカのクレジットカードの話

# アメリカのクレジットカードの話

そういえば、アメリカでこんなことを思ったんだった。

アメリカの長期滞在型ホテルで出会ったスペイン人のおばさんが、今回の渡航のときにクレジットカードを持ってこなかったんだって。現金をたくさん持ってきたのでクレジットカードは置いてきたらしい。最初の滞在先だけスペインにいるときにホテルの予約をして、あとはアメリカに着いてから予定を立てて旅行したりしようと思っていたとのこと。

ところが、アメリカでいざ旅行しようとしてみると、クレジットカードがないとなにもできないという。クレジットカードがないとホテルが予約を受け付けてくれないらしい。現金で払うと言っても取り合ってくれないので、せっかくアメリカに来たのに移動ができなくて本当に困っていた。後から考えると、アメリカでクレジットカードを紛失したことにして、カード会社に再発行してもらうとかできないのかなぁと思うけど、そのおばちゃんにその後会う機会がほとんどなくてその案について言いそびれてしまった。

それで、そのおばちゃんの言うことがどこまで本当か(確実なのか)よく分からないのだけど、クレジットカードがないと(現金を持っていても)ホテルに泊まれないという話が本当だとすれば、ひどい話だなぁと思う。それはつまり、現代の身分制じゃないかい?と。ぼくはこの話を聞いて、江戸時代に農民が住んでる村から外に出ることを許されなかったという話を思い出した(この話自体も信憑性は未確認だけど)。

しかも、クレジットカードというのは公共機関が発行しているものではなく、たんに民間企業が発行しているもので、本来は持っていない人がいても当たり前のもののように、個人的には思う。だからクレジットカードを持っていないとホテルに泊まれないなんてことは、本来はあってはいけないものなのではないか。いや、いけないということはない。というか道徳的な観点でそれを論じるつもりはなくって、社会インフラの発達性としてはネガティブな兆候なんじゃないかなぁと。

たとえば50円という廉価で日本全国どこへでも葉書を送れたり、日本全国どこへでも電話網がつながっていたりすることが社会システムを大きく効率化して近代的生産性を実現するように、人間が国内を移動するといったベーシックな社会インフラについては公共サービスとして完全性を高めたほうが、社会システムの効率としては良いのではないかと思う。それを、民間機関が発行・支配するようなシステムが必須になっているというのは変だ。あるいはそのような移動性が、国内にいるすべての人間に等しく提供されていることが問題だというなら、「20歳以上の大人はクレジットカードを持てる」とかにしてみるとか。

社会的ステータス(収入とか学歴とか)の多寡で、クレジットカードを持てるかどうか決まるというアメリカのシステムは、そしてクレジットカードがないといろんなことができないという社会システムはどうなのかなぁと今回思った次第。ただし、上記のふじさわの考えについては、ほんの2か月滞在しただけなので事実誤認しているところもあると思う。このあたりについては、もうちょっと勉強しても面白いかもしれないなぁ。
2008-07-19 20:06:35 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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