メッセージ。 - テレビの感想(NHKスペシャル アブグレイブ刑務所事件)
# テレビの感想(NHKスペシャル アブグレイブ刑務所事件)
先日、テレビのNHKスペシャルで、2004年のイラク戦争のときアメリカ兵が起こした捕虜虐待事件の番組を見た。アブグレイブ刑務所で、アメリカ兵がイラク兵捕虜を裸にしたり犬をけしかけたりと虐待した件で、その写真が公になったというものだ。
個人的にはこの番組をみるまで、「イラク戦争ではアメリカ兵のストレスが大変大きく、そういったストレスが虐待として顕在した事件なのだろう」という風に捉えていた。つまり、この事件の真の問題はアメリカ兵に加えられた強いストレスであり、強いストレスがかかると今回のような事件はおうおうにして起こるのだろうと。
当時マスメディアの論調などははっきり覚えていないけど、上記の印象からそう外れることのない材料しか提供していなかったと思うし、その後も詳しい情報などはとくに報道されていないように思う(とくにテレビなどの大衆向けメディアにおいて)。
ところが今回の番組では、上記の印象を覆すような情報が提供されていて驚いた。番組では事件の加害者とされる女性や上官らに直接インタビューをし、現場にいた人間から事件がどう見えていたのかをレポートしていたのだ。インタビューによると、加害者の女性は虐待を「与えられた任務」だと捉えていたというのだ。
そういった感覚は、その女性だけが持っていたものではない。虐待に加わった人間たちは、多かれ少なかれ上層部の意図を汲み取って虐待を行っていたという。当時の上層部は、イラク人の捕虜を肉体的にも精神的にも追い詰めることで、情報を引き出そうとしていたという。そしてそういった方針のもと、本来の業務外の仕事(捕虜の監視)を加害兵士たちに与え、また虐待の様子を実際に確認してもいたとのこと。
しかし事件が明るみにでると、そういった方針は公にされなかった。単に加害兵士たちは「腐ったリンゴ」として扱われた。つまり、「虐待は軍による命令ではなく、兵士たち個人の意思により行われたものである」という態度が取られたのだ。実際、この事件で処罰されたのは写真に写っていたかシャッターを切ったとされる7人だけであるという。要はトカゲのしっぽきりだ。
インタビューの中では、加害兵士たちがまったくの潔白であるとは表現していない。彼らのうちの1人(男性)は、すすんで虐待を行う人格的な問題をかかえていたようだし、またインタビューを受けた女性は、その男性の恋人であったため、虐待を行う彼に加担するような行動をとっていたと表現されている。
ぼくは、この番組で報道されていたことが事実かどうか分からない。ただ、事実だとしたら大きな問題であるように思う。また、そういった切り口で報道している今回の番組のことを、とても素晴らしいものだと思う。
NHKスペシャル|微笑と虐待 ~証言 アブグレイブ刑務所事件~
個人的にはこの番組をみるまで、「イラク戦争ではアメリカ兵のストレスが大変大きく、そういったストレスが虐待として顕在した事件なのだろう」という風に捉えていた。つまり、この事件の真の問題はアメリカ兵に加えられた強いストレスであり、強いストレスがかかると今回のような事件はおうおうにして起こるのだろうと。
当時マスメディアの論調などははっきり覚えていないけど、上記の印象からそう外れることのない材料しか提供していなかったと思うし、その後も詳しい情報などはとくに報道されていないように思う(とくにテレビなどの大衆向けメディアにおいて)。
ところが今回の番組では、上記の印象を覆すような情報が提供されていて驚いた。番組では事件の加害者とされる女性や上官らに直接インタビューをし、現場にいた人間から事件がどう見えていたのかをレポートしていたのだ。インタビューによると、加害者の女性は虐待を「与えられた任務」だと捉えていたというのだ。
そういった感覚は、その女性だけが持っていたものではない。虐待に加わった人間たちは、多かれ少なかれ上層部の意図を汲み取って虐待を行っていたという。当時の上層部は、イラク人の捕虜を肉体的にも精神的にも追い詰めることで、情報を引き出そうとしていたという。そしてそういった方針のもと、本来の業務外の仕事(捕虜の監視)を加害兵士たちに与え、また虐待の様子を実際に確認してもいたとのこと。
しかし事件が明るみにでると、そういった方針は公にされなかった。単に加害兵士たちは「腐ったリンゴ」として扱われた。つまり、「虐待は軍による命令ではなく、兵士たち個人の意思により行われたものである」という態度が取られたのだ。実際、この事件で処罰されたのは写真に写っていたかシャッターを切ったとされる7人だけであるという。要はトカゲのしっぽきりだ。
インタビューの中では、加害兵士たちがまったくの潔白であるとは表現していない。彼らのうちの1人(男性)は、すすんで虐待を行う人格的な問題をかかえていたようだし、またインタビューを受けた女性は、その男性の恋人であったため、虐待を行う彼に加担するような行動をとっていたと表現されている。
ぼくは、この番組で報道されていたことが事実かどうか分からない。ただ、事実だとしたら大きな問題であるように思う。また、そういった切り口で報道している今回の番組のことを、とても素晴らしいものだと思う。
NHKスペシャル|微笑と虐待 ~証言 アブグレイブ刑務所事件~
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