メッセージ。 - diary
2005-10-12
# ギークのインセンティブ
Open Source Way 2005に行ったので、そのときに少し感じたこと、話したことなど。
http://osdn.jp/event/osway2005/osm.shtml
当日は、中央大学の今野浩さんやネオテニー伊藤穣一さんのお話が面白かった。とくに伊藤さんは、一部ブログロ界隈で聞いていた悪い評判とは裏腹に、鋭い意見を言われていておどろいた。エキサイティングな講演だったと言っていい。
伊藤さんの講演内容は、ネットのムーブメントに関するもの。たとえばWikipediaを編集する人たちはどんな人たちで、なんの目的があってそれをするのか。また、日本アニメが公開されるたびに、ファンたちがよってたかって作品の英訳をしてしまう米国アニメ事情について。
伊藤さんが報告した事例は、いずれも「それが好きで、楽しいからやっている」という人たちのお話だ。彼らは金銭のためにやっているのではなく、誰かの権利を侵害したいわけでもない。アニメファンたちは、そうやって自分たちが普及の土台を作った作品が、正式に公開されるに至った時点で、自分たちの英訳コンテンツを取り下げるという。自分の好きな作品が自国で公開され友達と共有できるようになること、原作者に対するインセンティブが正常に働くことをよしと思うからだ。
そうやって好きなものを扱うアマチュアの人たちを、「違法だから」といって抑えつけることに、何の意味があるのか、どういう経済的損失があるのかと伊藤さんは問う。お金ではないインセンティブで動く人が台頭しているという指摘だった。
この「お金ではないインセンティブ」というのは、時代の空気をよく表した言葉だと思う。伊藤さんが帰られた後の、トークセッション「スーツの本音、ギークの本音」でも、「なぜギークはオープンソースを作るのか? それはビジネスになるのか?」という問いが会場から発せられた。
これも、お金じゃないインセンティブの話だとぼくは思う。会場のギークからは、「純粋に作るのが楽しいから作っている」とか、「山があるからそこに登る、それと同じだ」というような意見もあがった。たしかにそういう面もある。だけど、それだけじゃないはずだ。オープンソースも、インターネットも、内に閉じこもって作るだけで楽しいんじゃない。それをみんなで作る過程が楽しいんだ。
(続く……はず)
http://osdn.jp/event/osway2005/osm.shtml
当日は、中央大学の今野浩さんやネオテニー伊藤穣一さんのお話が面白かった。とくに伊藤さんは、一部ブログロ界隈で聞いていた悪い評判とは裏腹に、鋭い意見を言われていておどろいた。エキサイティングな講演だったと言っていい。
伊藤さんの講演内容は、ネットのムーブメントに関するもの。たとえばWikipediaを編集する人たちはどんな人たちで、なんの目的があってそれをするのか。また、日本アニメが公開されるたびに、ファンたちがよってたかって作品の英訳をしてしまう米国アニメ事情について。
伊藤さんが報告した事例は、いずれも「それが好きで、楽しいからやっている」という人たちのお話だ。彼らは金銭のためにやっているのではなく、誰かの権利を侵害したいわけでもない。アニメファンたちは、そうやって自分たちが普及の土台を作った作品が、正式に公開されるに至った時点で、自分たちの英訳コンテンツを取り下げるという。自分の好きな作品が自国で公開され友達と共有できるようになること、原作者に対するインセンティブが正常に働くことをよしと思うからだ。
そうやって好きなものを扱うアマチュアの人たちを、「違法だから」といって抑えつけることに、何の意味があるのか、どういう経済的損失があるのかと伊藤さんは問う。お金ではないインセンティブで動く人が台頭しているという指摘だった。
この「お金ではないインセンティブ」というのは、時代の空気をよく表した言葉だと思う。伊藤さんが帰られた後の、トークセッション「スーツの本音、ギークの本音」でも、「なぜギークはオープンソースを作るのか? それはビジネスになるのか?」という問いが会場から発せられた。
これも、お金じゃないインセンティブの話だとぼくは思う。会場のギークからは、「純粋に作るのが楽しいから作っている」とか、「山があるからそこに登る、それと同じだ」というような意見もあがった。たしかにそういう面もある。だけど、それだけじゃないはずだ。オープンソースも、インターネットも、内に閉じこもって作るだけで楽しいんじゃない。それをみんなで作る過程が楽しいんだ。
(続く……はず)
# Momoka2
ふぅ。とりあえずコードベースを新しくしたMomoka2(らしきもの)を公開します。Momoka2は実装を綺麗にしたいという欲求から作っていたもので、いまここで動いているmomoka.cgiとはまったく別の仕様になっています。というか、現状はただのWikiエンジンです。
http://nnri.dip.jp/~yf/momoka/
でも、プラットフォームを改善し見通しがよくなっているので、機能追加や新しいアイデアの実装は容易なはず。この実装系の主な特徴は次のような感じです。
- Webサーバー(Gaucheのプログラムをサーブレットとして常駐させられる)
- テンプレートエンジン(HTMLのブロックに名前を付けて利用できる拡張HTML仕様を実装。テンプレートエンジンの中では、PHPのようにGaucheプログラムを埋め込んで実行できる)
といったところかな? まぁぼちぼちいじっていきます。ソースコードも一応公開っす。
http://nnri.dip.jp/~yf/source/yaws-0.02.tar.gz
http://nnri.dip.jp/~yf/source/Momoka-0.12.tar.gz
http://nnri.dip.jp/~yf/momoka/
でも、プラットフォームを改善し見通しがよくなっているので、機能追加や新しいアイデアの実装は容易なはず。この実装系の主な特徴は次のような感じです。
- Webサーバー(Gaucheのプログラムをサーブレットとして常駐させられる)
- テンプレートエンジン(HTMLのブロックに名前を付けて利用できる拡張HTML仕様を実装。テンプレートエンジンの中では、PHPのようにGaucheプログラムを埋め込んで実行できる)
といったところかな? まぁぼちぼちいじっていきます。ソースコードも一応公開っす。
http://nnri.dip.jp/~yf/source/yaws-0.02.tar.gz
http://nnri.dip.jp/~yf/source/Momoka-0.12.tar.gz
2005-10-05
# フリーソフトとコンビニ
ずっとLinux一本でやってきたけど、最近メイン環境をWindows XP+coLinuxという構成にした。でもフリーソフトは入れる気がしないなぁ(多少入れてるけど)。いつのまにか、中に何が入ってるか分からないソフトウェアは、怖くて使えないと感じる体になっていたようだ。
普通の人はそういうことを考えないのかな? メールに添付されてきたexeファイル実行に怖さを感じるのと同じぐらい、フリーソフトのexeファイルにも嫌な感じを受ける。ソースコードが公開されていないのはまぁ、仕方がないけれど、だったら作ってる人を信頼できるかどうかぐらいは知りたいような気がする。
これってアレかなぁ。食べものとかと比較できるのかな? 「どこの誰が作ったか分からないものは食べたくない」とか。そこまで神経質にはならないけど。多分あれだな、たぶん自分の中に、まだWindowsのフリーソフトやそのコミュニティを信頼する気持ちがないのだろう。ぼくがコンビニのご飯を食べるのは、コンビニ自体を身近に感じ、(究極的には)仲間のようなものだという観念を持っているからだ。
普通の人はそういうことを考えないのかな? メールに添付されてきたexeファイル実行に怖さを感じるのと同じぐらい、フリーソフトのexeファイルにも嫌な感じを受ける。ソースコードが公開されていないのはまぁ、仕方がないけれど、だったら作ってる人を信頼できるかどうかぐらいは知りたいような気がする。
これってアレかなぁ。食べものとかと比較できるのかな? 「どこの誰が作ったか分からないものは食べたくない」とか。そこまで神経質にはならないけど。多分あれだな、たぶん自分の中に、まだWindowsのフリーソフトやそのコミュニティを信頼する気持ちがないのだろう。ぼくがコンビニのご飯を食べるのは、コンビニ自体を身近に感じ、(究極的には)仲間のようなものだという観念を持っているからだ。
2005-10-04
# rp-pppoe
http://www.roaringpenguin.com/penguin/open_source_rp-pppoe.php
LinuxなどUNIX系OSで、ADSLのドライバなどとして使われているrp-pppoe。いつのまにか起動コマンドが、「adsl-start」から「pppoe-start」に変更されたのな。Slackware 10.2で、adsl-startコマンドがなくなっていてハマったよ。ふんがー。
Roaring Penguin - PPPoE for Linux
LinuxなどUNIX系OSで、ADSLのドライバなどとして使われているrp-pppoe。いつのまにか起動コマンドが、「adsl-start」から「pppoe-start」に変更されたのな。Slackware 10.2で、adsl-startコマンドがなくなっていてハマったよ。ふんがー。
# オープンソースマガジン/japan.linux.com 合同オープン編集会議
http://utage.org/enkai/menu.cgi?ENKAI_CODE=osw2005
けっこう豪華メンバーだなぁ。個人的には、otsuneさんの名前を見て笑った。目ざといんだもの。
オープンソースマガジン/japan.linux.com 合同オープン編集会議
けっこう豪華メンバーだなぁ。個人的には、otsuneさんの名前を見て笑った。目ざといんだもの。
2005-10-01
# 今月読んでいる本『ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け』
今月読んでいる本。『ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け』(松岡美樹 著、ISBN4-903065-01-4)が案外面白い。「案外」と書いたのは、5月ごろからYahoo! JAPANで公開されているドキュメンタリビデオ(書籍のもとになったもの。http://yoake.yahoo.co.jp/)を見たときに、たいして面白いと感じなかったからだ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903065014/
本書を書いているのは、新聞、出版社を経てフリーライターをやっている方とのことで、抑制の効いた堅めの文章の中に、訴えかけるものを秘めた文章となっている。法律の境界線に片足を突っ込みながらも、インターネットの可能性と面白さに突き動かされた研究者たちの、静かな喜びが伝わってくるようで、非常に共感できるのだ。
P.61には次のようなくだりがあって、膝をたたく思いがした。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903065014/
本書を書いているのは、新聞、出版社を経てフリーライターをやっている方とのことで、抑制の効いた堅めの文章の中に、訴えかけるものを秘めた文章となっている。法律の境界線に片足を突っ込みながらも、インターネットの可能性と面白さに突き動かされた研究者たちの、静かな喜びが伝わってくるようで、非常に共感できるのだ。
P.61には次のようなくだりがあって、膝をたたく思いがした。
永遠の少年たちにも困ったものである。知的好奇心が強いあまりに、電話のタダがけなどかずかずの掟破りを平気でやってしまう。日本のインターネットを作った彼らの生態を見ていると、そもそもインターネットとはいい意味で「不健全」であり、アンダーグラウンドな要素を常にはらむものであることがよくわかる。杓子定規な社会システムに収まりきらない生き方や発想が、新しい文化を生み出すのだ。きれいに舗装された人工的で味気ない大通りから、一歩、裏に入ったときのうす暗い路地裏のあやしさ。街頭もなく雑然としているが、いったいそこに何があるんだろう? というわくわく感でいっぱいになる。元来、インターネットの魅力とは、そんな路地裏的などこか得体の知れないおもしろさにある。どこもかしこも舗装され、街頭ですみずみまで照らし出された世の中って息苦しいし、おもしろみがない。