メッセージ。 - 「ネット—コンテンツ経済」とか言ってみる

# 「ネット—コンテンツ経済」とか言ってみる

コンテンツのデフレはどこまで進むのかは、ちょっと正確じゃなかったかなと思った。

デフレしているのは「コンテンツ」ではなくて「ストック型情報」のような気がする。まぁ同じものを意識して書いたのだけど。レイヤが違うかなと。「ストック型情報」の価値が下落して、「フロー型情報」の価値が高騰していると言うほうが自然だよね。……いや、いいのか。「コンテンツ」の価値が下落して「ネットワーク」の価値が高騰しているというのほうが一歩進んでいていい気もする……。とりあえずこれを「ネット—コンテンツ経済」と名付けてみよう。

えーと、それでもう1つ考えたこと。コンテンツとかストック情報というのは、たぶん何か一般的に役立つ情報なんだと思う。たとえば本に書くべき内容のような。だけどこの、ネット—コンテンツ経済においては、そういった一般的に役立つ情報がデフレしてしまっている。逆に増大しているのは、一般的に役立たない情報だ。そこにアクセスすることで、個人的なムシャクシャが収まるような、パーッとストレスを消し去ってしまうような、そういう個人的問題にアクセスしうるフロー情報。その価値が上がっている。

こういったネット—コンテンツ経済の特徴を見ると、2ちゃんねるの競争力が非常に高いことをうまく説明できる。そこでは一般的に価値のある情報の共有よりも、一過性の情報や、人間の感情を直接刺激するような情報が集められる。一時のムシャクシャを解消したり、個人的な恨みを晴らしたり、個人的な悩みを吐き出したり、そういうことに2ちゃんねるは適している。ネットワークにこそ価値があり、コンテンツに価値がない。だから匿名でいいし、匿名でなければならない。

もう1つ、ネット—コンテンツ経済において競争力が高いのはmixiだろう。そこでは一般的な価値のある情報よりも、個人的に価値のある情報のほうが好んで消費される。そこにストック型の情報を置くことは有意義ではない。むしろそのときどきで感じたこと、喜怒哀楽、そういったものを吐き出して、ネットワーク作用によって解消してしまう働きこそがmixiの機能といえる。mixiは2ちゃんねると正反対で、顕名を基本とする。しかし2ちゃんねるで実現しているのと同等の機能を持っているといえるのではないか。

さて、ネット—コンテンツ経済について考えてみると、さらにもう1つ現時点において見えているnext personが存在する。みんなもよく耳にしているアレだ。「ネットワークにこそ価値があり、コンテンツに価値はない」という思想を推進するもの。ネットワークのインフレーションを引き起こそうとしているもの。ネット—コンテンツ経済の発展は、流通媒体の進化・流通コストの低減によって促されてきた。そしてnext personはもう一歩、その進化の歩みを進めようとしている。
2006-04-27 13:39:23 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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