メッセージ。 - 最終電車と街の灯と
# 最終電車と街の灯と
こないだ、いつものように終電に乗っていたら、
同業者らしい人の会話が耳に飛び込んできた。
隣りに立っていたおじさんと女の子。
おじさんのほうは、ロマンスグレーでちょっといい
スーツを着た管理職って感じかなぁ。
女の子は、まだ若くて20代半ばに見えた。
配属されてからこのかた、上に付く同僚がみな脱落して、
まだ2年目のころから一人で客先に行っていたという彼女。
「まだ私、何も分からないのにお客さんのところに行って、
見よう見真似で打ち合わせしたり仕様書作ったりして、
しんどかったです」って。
男のほうは、たぶん育ってきた職種が違うのだろう。
「ふぅん。そうなのかぁ」と相槌を打つばかり。
現場の過酷さを理解できない、してあげられないという風でもあり、
小さな女の子の力強い言葉に気圧されるようでもあり。
「だから、いまの仕事はだいぶ楽です。
あのころは何か、……先が見えなくて。
先輩たちがどんどんいなくなって、私たちも休めなくて。
それが何年も続くと、体がおかしくなってくるんです。
本当に体が動かなくなって。
だからあのころに比べれば、いまの仕事は全然楽です。
いまの仕事のほうが、断然楽ですねー」。
そうつぶやく彼女は、はるか遠くを思うように、
夜の街並みを見つめていた。
男は何も、言葉を返せなかった。
同業者らしい人の会話が耳に飛び込んできた。
隣りに立っていたおじさんと女の子。
おじさんのほうは、ロマンスグレーでちょっといい
スーツを着た管理職って感じかなぁ。
女の子は、まだ若くて20代半ばに見えた。
配属されてからこのかた、上に付く同僚がみな脱落して、
まだ2年目のころから一人で客先に行っていたという彼女。
「まだ私、何も分からないのにお客さんのところに行って、
見よう見真似で打ち合わせしたり仕様書作ったりして、
しんどかったです」って。
男のほうは、たぶん育ってきた職種が違うのだろう。
「ふぅん。そうなのかぁ」と相槌を打つばかり。
現場の過酷さを理解できない、してあげられないという風でもあり、
小さな女の子の力強い言葉に気圧されるようでもあり。
「だから、いまの仕事はだいぶ楽です。
あのころは何か、……先が見えなくて。
先輩たちがどんどんいなくなって、私たちも休めなくて。
それが何年も続くと、体がおかしくなってくるんです。
本当に体が動かなくなって。
だからあのころに比べれば、いまの仕事は全然楽です。
いまの仕事のほうが、断然楽ですねー」。
そうつぶやく彼女は、はるか遠くを思うように、
夜の街並みを見つめていた。
男は何も、言葉を返せなかった。
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