メッセージ。 - 大野さん、じきじきに...

# 大野さん、じきじきに...

大野さん、じきじきにありがとうございます。
私が「無茶苦茶」と言ったのは次のような点です。(ふじさわさん、折角の機会ですので場所をお借りします)

●「だがその特集の制作に関わった人々は当然私のメール文は読んでいるはずだし、電話でも確認しているし、何よりわざわざジェンダー論の人間を指名してコメントを取ったのだから、私が総論に書いたポイントは当然紹介されるものと思っていた。」

はたから見ればくだらない番組であっても、制作側の人間はものすごく大量の情報を短期間で処理して、取捨選択しています。メールや電話って、それは制作側からみたらone of themにすぎないんですよ (それが良い悪いは別として、現実問題として)。私の元コメントに書いたように、素材というのは切り刻まれて捨てられる運命なんです。それが嫌なら、*自分が番組の責任を取る覚悟で* 最初から制作に関わるか、個人的に信用ができるプロデューサーやディレクターとしか仕事をしないか、しかありません。

(もっとも、大野さんがプロデューサと何日も缶詰になって根詰めて構成したのに、途中で追い出されて無茶苦茶に改変された、ということでしたら、大野さんのお怒りはちっとも「無茶苦茶」では無いと思います。その場合は私の事実誤認ですので謝罪します。)

ちなみに私は「切り刻まれて捨てられる」方の立場の人間です。

●「現場にそれが伝わった頃はもう番組が終わりかけだったという。私が電話したのは、番組始まって10分程度経過した頃だ。終わるまで少なくとも40分はあった。きっとものすごく複雑な連絡経路になっているのだろう。」
●「その特集の趣旨を考えたら、「出演者の発言を少なくしてリポーターにコメントの要点を言わせろ」という指示を、早めに現場に送ることはできたはずである。しかしそれをしなかった。現場のノリと時間通りの進行ばかり考えていたために。」

かなり高度なことを要求されていると思います… 生放送での「時間通りの進行」がどれほど重みを持ち、信じられないほどの職人技に支えられていることか。

もちろん作り手の理想として、そういう要求に応えるべきという意見はわかりますし、それは私の元コメントにも書いた通りです。ただ、それが出来る優秀なスタッフばかり揃っているわけじゃないでしょう。大野さんはTV局の能力というものに期待しすぎなのでは、という印象を受けます。

●「どこを抜粋したのか見ておきたいので、当日までに台本を送ってほしいと言った。スタッフの人は「難しいかもしれないけどなるべく」と言って電話を切った。待っていたが、結局台本は送られてこなかった。」
●「ようやく台本を見ることができた。台本の段階で、私が書いたジェンダー的観点は省かれており、別にジェンダー論を通さなくても言えるような言葉だけがピックアップされていた。この台本に従う限り、予定通りの放送が行われても私の意見は反映されない。」

まことに残念ながら、台本のやりとりをしてじっくり専門家のいうことをスタッフが理解できるまで練れる現場なんて希少だと思います。本番直前に台本があがるなんてことも珍しくありません。また、番組スタッフは「与えられた時間と予算で、それなりに見てもらえる内容を作る」ことに特化したプロですが、番組で扱う内容に関しては素人です。

限られた時間で、お互いのプロフェッションを活かした良質のコンテンツを作りたいのなら、専門家の側もかなりの時間と労力を割いて制作に関わるしかないです。伝える、っていうのはそういうことじゃないですか。こちらから伝えたい人のところに出向いて、何度も何度も、振り向いてもらえるまで伝えつづける。それしかないんじゃないですか。

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なんだか番組スタッフを擁護しているみたいですが、誤解しないでください。
複数の方が客観的に問題であると言ったのなら、問題なのでしょう。私が言いたいのは、ではその問題をどう解決するかということです。

元コメントで暗に述べたように、現在のTVコンテンツの多くは、現場の大変さを言い訳にして低いレベルに留まっていると思います。でもですね、そこを非難したって、たいして改善しないと思いますよ。作ってる側だってわかってるのに、動きが取れない状態だと思います。

制作側のスタッフも、心の中のどこかでは、いつかは良いものを作りたいという想いをかかえているんだと私は思っています。少なくとも一部は。本当にすごいコンテンツを見た時こそ、彼らは悔し涙を流し、奮起するでしょう。なぜ俺達にあれが作れないんだと。

良い番組があふれる世界が欲しければ、ひとつづつ、自分で良いものを作ってゆくしか無い、と私は思っています。

2006-07-08 13:53:46 / shiro / Comment: 0 / Trackback: 0

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