メッセージ。 - 暮れなずむ空の下で
# 暮れなずむ空の下で
計算機を使うのは、真っ暗になった部屋の中で物を探すときの感覚に似ている。
暗闇の中で、どこに何があるかは手探りでないと分からない。
あるものに手を触れたら、そこにあるものの感触からそれが何かを類推し、
さらに別の場所に手を伸ばす。
「机があるな、ということは右側にドアがあるはずだ。
ドアノブがこの高さにあって、ドアの向こう、数歩進んだところに
トイレがある。アイテッ。そうか、ここにはゴミ箱を置いてたっけ」
暗闇の中で、人は記憶を頼りに、見えないものの配置や自分との距離を割り出す。
記憶がなければ、それはのっぺりとした稠密空間で、どちらに向かってどれだけ
進めば良いか見当も付かない。
暗闇の中では、ほんの数歩先に何があるかも分からず、
ちょっと雑な動きをするだけで惨事を引き起こす。
そこをスイスイと動けるようになるためには、
稠密空間と自分の身体の動きとを関連づけ、
稠密をあつかえるだけの距離感覚を体で理解する必要がある。
それは型だ。武道や舞踊における型の概念。
型を覚えることで、やっと人間はその空間を自由に歩きまわることができる。
ただし、記憶にない場所に連れ出されると、自由はすぐさま失われる。
計算機が人を驚かせとまどわせるのは、その空間性のゆえではないか。
いままで人は、海も空も、砂漠も氷原も踏破してきた。
それらはすべて、視界の利く範囲だった。
そして今回、人類は視覚の届かない範囲、夜の世界に足を踏み入れた。
それは、もしかしたら思った以上に大きな転換なのかもしれない。
暗闇の中で、どこに何があるかは手探りでないと分からない。
あるものに手を触れたら、そこにあるものの感触からそれが何かを類推し、
さらに別の場所に手を伸ばす。
「机があるな、ということは右側にドアがあるはずだ。
ドアノブがこの高さにあって、ドアの向こう、数歩進んだところに
トイレがある。アイテッ。そうか、ここにはゴミ箱を置いてたっけ」
暗闇の中で、人は記憶を頼りに、見えないものの配置や自分との距離を割り出す。
記憶がなければ、それはのっぺりとした稠密空間で、どちらに向かってどれだけ
進めば良いか見当も付かない。
暗闇の中では、ほんの数歩先に何があるかも分からず、
ちょっと雑な動きをするだけで惨事を引き起こす。
そこをスイスイと動けるようになるためには、
稠密空間と自分の身体の動きとを関連づけ、
稠密をあつかえるだけの距離感覚を体で理解する必要がある。
それは型だ。武道や舞踊における型の概念。
型を覚えることで、やっと人間はその空間を自由に歩きまわることができる。
ただし、記憶にない場所に連れ出されると、自由はすぐさま失われる。
計算機が人を驚かせとまどわせるのは、その空間性のゆえではないか。
いままで人は、海も空も、砂漠も氷原も踏破してきた。
それらはすべて、視界の利く範囲だった。
そして今回、人類は視覚の届かない範囲、夜の世界に足を踏み入れた。
それは、もしかしたら思った以上に大きな転換なのかもしれない。
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