メッセージ。 - > 他にチャネルが無...
# > 他にチャネルが無...
他にチャネルが無かったとしたら、最後の手段としてネット暴露はアリ
というのは同意です。ただ、今回のケースはMyNewsJapanという公共のニュースサイトに投稿しているのが、ぼくとしては非常にひっかかりました。多くの人に見てもらいたいというのは分かるのですけど、「公共のメディアに投稿するべきか」というのは、もっとよく考えてほしい気がするのですよね。
……というのは、ぼくが公共というものを重く見過ぎなのかもしれませんが。「公共に提供するものは、○○であらねばならない」というような暗黙のプレッシャーが、ぼくの無意識にもへばりついているのを感じます(それが良いか悪いかは別として、日本人的な過度の真面目さといいますか偏りといいますかがありますね、と)。
すみません。脱線しました。話を戻しますが、筋を通すならこの方は、NTTデータなり富士ソフトなりを訴訟して法的に決着を付けるべきだと思うのです。でもこの事例では、法的解決を試みず、いきなりネットの世論に訴えかけているように感じました。
つまり、「世論であるとか、多くの意見がありさえすれば、法なんか無視して社会というものを動かせるでしょう」という意識を感じるのですよね。でもそれって、かなり乱暴なように思います。性急なマスメディアの使用はルールをないがしろにするものですし、話し合いを否定する面があります。
飛田さんが、ご自分のブログなりで書かれていたのなら、ぼくも気にならなかったかもしれません。また、この意見がSI業界に向けて発信されていたなら、もっと納得したと思います。ただ、一般のニュースサイトでこの記事が載るというのは、誤解を招きやすいかなと思った次第です。
2つ上の段落で、性急なマスメディアの使用は危険と書きましたが、日本では法的解決のコストが非常に高く、現実的には個人が泣き寝入りするしかないというのが大多数なのだと思います。また、そういった問題を解決する手段としてマスメディアが有用だというのも分かります。
その一方で、日本人はまだ全然、マスメディアの使い方が上手くないですし、法と行政の機能がそれほどまでに矮小化されてしまうことを危うく感じます。米国の何でも契約という慣習は、1つのケーススタディとして、今後日本でももっと勉強し、良いところは取り入れるべきでしょうね。契約ほとカッチリしたものでなくとも、もっと企業と個人の関係がフラットで、第三者による調停が見込める仕組みが欲しい気がします。
あと、こういった個別の事例がケーススタディになるというのも非常に同意です。記事が公開されたことで、こうやって議論もできました。そういう意味では、この記事には大きな価値があると思います。誤ちを繰り返して、正しい方向を模索できますから。飛田さん程度の誤ちは(それが誤ちだと仮定して)、誰にでもあることだと思いますし、意見が交換できるという意味でもっとじゃんじゃんあってよいと思います。
個人的に、この事例からは、ネットリテラシーとか、ネット時代のルール作りと運用、メディアと公共性といったテーマを考えさせられました。興味深いケースです。
Comment
Trackback