メッセージ。 - プログラミング雑誌かぁ……

# プログラミング雑誌かぁ……

ちょっと思ったこと。
自分の記憶がなくならないうちに、当時考えたことを書いておく。

もう数年前の話だけど、プログラミング雑誌が売れないとか、作りにくいようには思っていた。そして、それはなぜなのかも考えていた。でも、最後まで明確な原因は分からなかった。

本当は、そもそも「売れない、作りにくい」という考えが、正しいのかどうかはよく分からない。作り方が悪いのかもしれないし、統計的・戦略的に市場調査をしたわけではないから。

ちなみに、ぼくがあの業界を実際目で見るまで、雑誌というのはそれなりに「ちゃんとした」作り方をしているのだと思っていた。出版社にはちゃんとしたマーケッタがいて、業界との太いコネクションがあって、ちゃんとした知識を持っている人が作っていて、属人性よりも組織性で作られているのだと思っていた。

でも実際にはそれは、マーケティングのマの字も知らない個人の、超人的な働きによって作られていた。たとえばコンピュータ雑誌の編集に携っている人間は、下は18から上は40ぐらいまでというケースがままある。個人的には、もっとたくさん、年寄りが噛んでいると思っていたが、全然そういうことはなかった。少人数の、若い人が作っていた。これって変じゃない?

コンピュータ雑誌に限らず、「ちゃんと作っているはずだ」と思っていたいろいろなものが、実際には全然ちゃんと作られていないということが、東京で実際に働いてみてよく分かった。要するにぼくが子供だったのだけど、でも、東京みたいな場所で、実際に働いてみなければ、それを本当に理解することはなかっただろう。

だからぼくは言いたいのだけど、ネットとかで瑣末な(瑣末かもしれない)問題に悩んでいる人は、実際に働いてみてほしいと思う。東京で働くのは難しい場合もあるだろうから、東京でなくてもいいけど、アルバイトでもなんでもいいから、実地に社会の現場をいろいろ見ると、分かることがある。自分の悩みの原因が何なのか分かる。本当は、教育システムとして、東京的なものや仕事的なものに触れられる機会が、もっとたくさんあればいいのになぁと思うけど。

あー脱線した。なんの話だっけ? プログラミング雑誌が売れない理由だっけ。ちょっと時間がなくなったので(ぉ、本当に簡単なメモだけ。

・プログラミング雑誌が売れないのではなくて、コンピュータ雑誌全体が売れなくなっている
・というか、出版業界全体が冷えこんできていて、とくに男性向けの雑誌はダメ
・コンピュータが持っていた熱のようなものがなくなってきている
・何十年も前、マイコン少年やマイコン中年たちが持っていたスピリット(コンピュータへの憧れやその可能性への熱狂)が、コンピュータ雑誌のコアだと思うのだけど、熱はそもそもそこから発されていた
・組織やコミュニティ的なものを変えようと思ったら、カルロス・ゴーンさんが日産を立て直したときのように、現場の人に直接会って顔を見て話さなければいけない。でも、それをうまくできる主体やチャンスはけっこう少ない
・企画力や取材力はたしかに重要。でもどうかなぁ……。それってジャーナリズムで、ジャーナリズムというのは実は、ビジネスとの相性があまり良くない。普通の雑誌の作り方に、プラスアルファとしてジャーナリズムを盛り込めれば良いのだろうけど、なかなかコストが合わないような気がする
・ジャーナリズム的なものは、ある程度ネットの得意分野かもしれない
・それでも雑誌は、一定の価値があると思っている。たとえば、コンピュータ雑誌からインタビューを受けたある人から、「自分が載った雑誌を実家の父や母が喜んで親戚に配っている」という話を聞いたことがある。頑張っている人を、きちんと世に出していくというか、専門領域にある情報を、世間一般に露出していく情報や文化の流通路としての機能が雑誌にはあるし、これからもそういうモノは必要なんじゃないかとか
・結局のところ、メディアの機能の1つは「混ぜ合わせること」にあるような気がする
2007-08-16 08:15:42 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

Comment

コメント投稿機能は無効化されています。

Trackback

TrackBack投稿機能は無効化されています。