メッセージ。 - 絶対性・特別性への希求

# 絶対性・特別性への希求

深く考えないで捨てるように書く - アンパンマンのもつ聖性
http://d.hatena.ne.jp/azumy/20070911/1189481411

 書き上げた直後に追記。
 
 アンパンマンの単純化図式は、子ども向きの民話や昔話(花咲爺さんやカチカチ山、桃太郎などの広く流布されているタイプの話)にみられる善悪の単純化とも共通するように思う。よい爺さんと欲張り(悪い)爺さんの対比や、鬼=悪役(有無を言わせず悪い)という図式化とか。

同感なんだけど、加えて書けることがあってね。この図式は、子供向けの話だけに限らないと思うんです。たとえば『暴れん坊将軍』や『水戸黄門』もこの図式ですよね。同様に、アメリカ映画の『007』とかもそうだし、もっと言えばスーパーマンとかもそう。もっともっと言えば、映画などある種の典型的物語における「主人公」という概念が、もうすでにそうだと思うんです。

ソフトウェア開発の世界では「狼男を撃つ銀の弾丸は存在しない」という言葉があるんですけど。これは、「すべての問題を一発逆転で解決できるような、必殺の方法というものは存在しない」という意味の警句なんですね。逆に言えば、「必殺の方法」、「絶対の解決策や原因」を求める人が多いということなんです。

ぼくはこれは、子供や大人や、男や女に限らないことだと思っています。多くの人が、一発逆転できる必殺の方法や、救いの道がどこかにあると探し回っています。このことを警告した物語は、昔話などでは比較的多く見付けることができるのではないかと、最近は考えています。『青い鳥』、『裸の王様』、『コロンブスの卵』、『春望』、『不思議の国のアリス』など。
2007-09-12 09:58:58 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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