メッセージ。 - なんとなく思い出したこと
# なんとなく思い出したこと
昔、『ドラえもん』を読んでいて、なんともいえない引っかかりを感じた1コマがあった。
その回でドラえもんは、水を半固形化して粘土細工をできるようにする道具を出していた。
その道具を持って彼らは、公園に遊びに出かける。
のび太やしずかちゃん、スネ夫にジャイアン。いつもの面々は、公園の池の水を使って、めいめい舟を作った。
さぁできたぞ。進水だ。そのときのこと。
水のうえを順調に進むスネ夫は、前からしずかちゃんの舟がやってくるのを見つけた。
「やぁ、しずかちゃんの舟、かっこいいねぇ」(しずかちゃんの舟はスワンの形をしている)
「スネ夫さんの舟もすてきよ」
言葉を交わしあう子供たち。
このシーンにぼくは引っかかった。どうして彼らは、そのような言葉を口にしたのか。本来なら彼らは、逆の言葉を口にすべきじゃなかったか。
「やぁ、しずかちゃんの舟、すてきだねぇ」、「スネ夫さんの舟もかっこいいわ」
彼らのパーソナリティなら、当然こう言うはずだ。ところが作者は、ここを逆にした。
「なぜ逆にしたのだろうか?」という問題はぼくも解けていないのだけど、どうしてここの言葉に違和感を感じたのかは、その後十数年考えて分かってきた。
要するに彼らは、自分の価値観の外にまったく出ていない。
スネ夫にとっては「かっこいい」というのが価値なのだ。そしてその「かっこいい」という評価を、しずかちゃんという女性に投げて褒めたつもりになっている。
また、これを受けてしずかちゃんも「すてき」という評価をスネ夫に投げ返す。しかしわざとではない。意識下での思考をほとんど発生させずに、さらっと「すてきよ」と言い放つ。
そして舟はすれ違い、ゆき過ぎていく。
その回でドラえもんは、水を半固形化して粘土細工をできるようにする道具を出していた。
その道具を持って彼らは、公園に遊びに出かける。
のび太やしずかちゃん、スネ夫にジャイアン。いつもの面々は、公園の池の水を使って、めいめい舟を作った。
さぁできたぞ。進水だ。そのときのこと。
水のうえを順調に進むスネ夫は、前からしずかちゃんの舟がやってくるのを見つけた。
「やぁ、しずかちゃんの舟、かっこいいねぇ」(しずかちゃんの舟はスワンの形をしている)
「スネ夫さんの舟もすてきよ」
言葉を交わしあう子供たち。
このシーンにぼくは引っかかった。どうして彼らは、そのような言葉を口にしたのか。本来なら彼らは、逆の言葉を口にすべきじゃなかったか。
「やぁ、しずかちゃんの舟、すてきだねぇ」、「スネ夫さんの舟もかっこいいわ」
彼らのパーソナリティなら、当然こう言うはずだ。ところが作者は、ここを逆にした。
「なぜ逆にしたのだろうか?」という問題はぼくも解けていないのだけど、どうしてここの言葉に違和感を感じたのかは、その後十数年考えて分かってきた。
要するに彼らは、自分の価値観の外にまったく出ていない。
スネ夫にとっては「かっこいい」というのが価値なのだ。そしてその「かっこいい」という評価を、しずかちゃんという女性に投げて褒めたつもりになっている。
また、これを受けてしずかちゃんも「すてき」という評価をスネ夫に投げ返す。しかしわざとではない。意識下での思考をほとんど発生させずに、さらっと「すてきよ」と言い放つ。
そして舟はすれ違い、ゆき過ぎていく。
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