メッセージ。 - 女にとっての「いい男」

# 女にとっての「いい男」

先日テレビを見ていたら、ある会社の女性の社長がこんなことを言っていて鋭いなぁと思った。

「女にとって『いい男』ってのは、とにかく話を聞いてくれる人ですよ。アドバイスはいらない。アドバイスされるとむかつくから」。

こんな風にエッセンスを抜き出して、身も蓋もないことを言えるのは賢い人だ。自分のなかにあるものを偽らずに取り出せるのは、ストレートな感性の持ち主ということ。

しかもこの場合テレビで放送されるもの(どこかのカンファレンスでのパネルディスカッションでの一幕を抜き出したもの?)だったので、女性社長としてある一定の仕事をこなしていたように見受けられた。

上記のような発言では、「女性を共感させられる」という女性(社内)に対してのメッセージ性と、「自分の強さ(女らしさと男っぽさ)を見せつけられる」という市場(男社会)に対してのメッセージ性を端的に演出できていたから。女性社長としてなかなかの仕事だと感じた。


それはそれとして。それが、女にとっての「いい男」だというのは理解できるし、ぼく自身は必要に応じて女の人の話はとりあえず聞くことが多い。「女の人ってのは『喋りたい生き物』なんだな」と思うようなところがあるから。

でもときに、「聞くだけ」というのはあえてやらないこともある。女の人の前で「いい男」でいるだけなのは、女の人にとって気分がよいだろうけど、その実気分がよいだけで女の人をダメにするところがある気がするから。

なんていうか、この場合の女にとっての「いい男」というのは、もっといえば「都合のいい男」ってことだ(かもしれない)。たとえば逆に、「男にとって(都合の)いい男というのは、とにかくすぐ脱いでくれる人のことですよ」とか言われたらどうだろう。

女の人は、「そりゃあそうかもしれないけど。でも脱いであげない」と思うんじゃないだろうか。それに、脱いであげることが、男にとってよいことだと考えるのが妥当だとは思えない。

それは単に「都合の良い女(や男や状況)」というだけであって、でも実際には世の中都合の良いことばかりじゃない。短期的には都合のいい女(や男や状況)は「良い」といえるかもしれない。一方で長期的には、「都合が悪い状況でなにができるか」というスキルこそが重要だ。

都合がよすぎてもダメだし、都合が悪すぎてもダメというか。だからたとえば、ぼくは女の人の話は適度に「聞かない」ようにしている。アドバイスもするし対話もする。それらをストップさせようと思えばできるけど、そうはしないという方針でいる(少なくとも最近は)。
2007-11-02 05:41:22 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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