メッセージ。 - 日々

# 日々

いつも拝見しているある人のサイトで、「湖畔でこんな卵を見つけた」という文章が書かれていた。見ると薄黄色の少し縦長い卵が5つ、刈れた水草の上写真に収められていた。その人によると「アヒルの卵かもしれない」とのこと。

それを見て、ぼくはとてもびっくりした。だって思えば、ぼくは卵なんてスーパーで売っているのしか見たことがなかったのだから。あるいはテレビの動物番組で、ときたま動物の卵は紹介される。でも実際に、人が歩けるような身近な湖畔で、卵が生まれ、命が育てられているなんて、ぼくは今日まで知らなかった。本当に知らなかった。とても驚いたし、その卵を見られてうれしかった。

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ぼくはときどき、表現する人のことを、可愛らしいなぁと思う。年上であろうとも、性別がどうあろうとも、本当の心で裸になって表現する人は可愛らしい。それはまるで、言葉を覚えたての赤子を見ているよう。というかたぶん、そういう人の心は赤子のそれと同じなのだ。最も美しい表現や創造というのは、赤子の心からのみ生まれるのだ。

子供たちの言葉は、どんな哲学者の言葉よりも力強く、どんな詩人の言葉よりも透き通っている。誰が見ても分かるほどだ。そしてときに、大人になっても赤子の裸の心を持っている人がいる。ぼくは、裸の心で表現する人のことを、守らなければいけないと思う。彼らの心は、あまりにも無防備で傷付きやすくてやわらかい。

※ 赤子の裸の心は、本当は誰の心の中にもまだ残っていて、その灯は守られている。その灯を、強く輝かせている人と弱くなっている人がいるだけだ。でもその灯は、脆くてすぐに揺らいでしまう。多くの人は、大事にそれをかくまって見えないようにしている。大事に大事にかくまわれて、どこへ行ったか分からなくなってしまっている。
2007-11-09 21:50:46 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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