メッセージ。 - ちょっとLLTVの感想

# ちょっとLLTVの感想

先週末、LLTVに行ってきた感想を書いてみる。まとめるの面倒くさいので、徒然に。アンケートが募集されてるので、LLTVに参加した人は答えてみるのもよいと思います。

一言でいうと、んー、LLイベントもちょっと息切れしてるのかな、と感じたかな…。そもそもLLイベントってのは凄い人がいっぱい発表してて、見てると自分もコードを書きたくなってウズウズするような、エキセントリックさが売りだったように思うんだよね。「自分と歳も環境もそう変わらない人が、こんなに凄いことしてる! 楽しそう! 悔やしいけど、自分も頑張りたい」って、ぼくにとって、そもそものLLイベントはそう感じさせるものだった。

ところが今年のイベントは、まぁ去年とかその前とかからそういう予兆はあったような気がしなくもないけど、そういうワクワク感が減ってきてしまったのかもしれないと思った。作り手の側が「ま、こんなもんでいいか」と匙を投げているような。今年のイベントはテレビ番組をもじって構成されていて、そういったフレーム自体は分かりやすさを生んでいた。しかし一方で、テレビ番組をもじっただけで、肝心の内容を煮つめることができていなかったように思う。

たとえば朝から生テレビ。「朝から」、「数人で議論する」といったフォーマットが用意されただけで、実際には激論らしいものはなかったし、「何について語られるセッションか」も明らかではなかった。もっと今だからこそ語るべきテーマ(経済不況とか、海外で働く話とか、中国の台頭とか)を話しあったほうがよかったんじゃないだろうか。また、LLのイベントなんだからもっと深い技術動向とか。

いやまぁ、技術の話については登壇者の技術レベルが高かったので、それなりに面白かったのだけど。でも、漠然としすぎていた。各人がそれぞれ「語りたいテーマ、重要だと思う技術」をぶつけあうという感じが出ていなくって、それがよくなかったんじゃないかと感じた。「これくらいの話をしておけばいいか、こういうネタならウケるかな?」って顔色をうかがいながら牽制している感じ。極論すると「どうでもいい話」をしている(発表者各人が悪いのではなく、ディレクターの意図を発表者が図りきれていなかったり、企画が練りきれていない感じ)。

「LLフィーリングカップル」についてもまぁ同様で、あれを面白いと感じる人もいるのだろうけど、個人的には楽しめなかった。「女性を登壇させて男女関係について話させればウケるでしょ?」的なものを感じてしまって、どうもダメ。LLや技術とは関係ない話がほとんどだったし。もちろん、ああいうトーク企画ってのは、話がどう転ぶか事前に分からないから難しいのは分かる。でもなんか、こう、テーマとかメッセージが、あまりにも曖昧だった。誰に何を伝えたいのか、はっきりさせてほしいというのかな。

今年のLLイベントは「テレビ」を銘打っていたけれども、奇しくも悪い意味でLLイベントがテレビ的になってしまったのかもしれない。つまり、アチラ側とコチラ側に分かれてしまった。悪く言うと、「ま、こんなもんでしょ」って作り手は思ってしまってたんじゃないのかな。映画や演劇やライブイベントなどに存在すべき、会場と作り手のあいだに存在してほしい一体感、共有すべきものが、いくばくか失われてしまったように感じた。

まぁ、とはいえ面白いセッションもあったんだけどね。それは『プロトタイピング 〜「もの作り」の流儀〜』。これは単純に見ててワクワクした。凄いことをやっている人がいて、「こんなことができるのかぁ。あー自分もこんな風にものを作りたいな。自分も頑張りたいな」と思った。このセッションもLLの話はなくって、デザインとかAR(拡張現実)とかに近い話だったんだけどね。でもまぁ、ここ数年でニンテンドーDSやiPhoneのような高機能センサデバイスが普及・コモディティ化しつつあるので、これをうまく使いこなすというのは、エッジにいる技術者にとって大変興味深い。エッジとLLの技術者像はある程度重なるので、そういう意味ではLLじゃないけど良かったように思う。

まーそんな感じっすかね。これ以外にも、ところどころで面白い話、つまらない時間等もあったのだけど、端折ります。
2009-09-03 15:55:21 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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