メッセージ。 - にゃー

# にゃー

今回大阪に帰省して、東京よりも知らない人同士が話をする土壌があるのかなぁという気がした。東京だとみんなが忙しすぎて、イレギュラーを会話で吸収するのではなく、事前にイレギュラーが起きないよう考慮しておかなければならない、とでもいうような空気がある気がする。

東京にいると皆がピリピリしていて、自分もちょっとしたことでテンパってしまいがちだけど、大阪では、大袈裟にいうとちょっとしたやりとりや表情に許しがあったというか。


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結局、マネジメントの仕事は、「正解のない課題を正解のある課題に分解して、いろんなリソースを使って実行すること」なんだろう。

マネジメントのある国では、正解のある仕事と正解のない仕事が明確に分割され、それらへの人のアサインも明確に分かれていると考える。

一方日本は、そこがまったく曖昧で、すべての人が正解のない仕事にトライしている。そこに大きな難しさや困難がある。


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今晩リリースだというのに、直前で不具合が発生し、なんとか丸く収めて「さぁ帰ろう」と思ったのもつかの間、東海道線が人身事故で、車内に1時間近く閉じ込められることに…。しかも、風邪の症状が悪化してて、今日ばかりは早く寝たかったんだよ…。人身事故でここまで閉じ込められるのは初めてだけど、これはキツい。本当に今日はついていない。まぁ、といっても昔はもっともっとツラいプロジェクトばかりで、こんな時間に電車に乗れるなんてことは数年に一度もなかったけど。


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やっと最寄駅に着いて、これから歩いて帰る。結局1時間10分ほど止まっていたらしい。まぁまぁ混んでいる中で立ちっぱなしのこれはキツい。ずっと同じ姿勢で立ってたので、少し座らないとどうにかなりそう。しかしホームに椅子はなし。吐きそう。こういう状況にあっても、とくに文句もなく弱音も吐かず、散り散りに家路につく乗客たち。偉い。


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次回同じようなことを聞かれたときのためにメモ。

ここにあるネットワーク機器、PC、サーバー、それらの配線とそこにインストールされているすべてのプログラムとそれらのすべての組み合わせ。そのすべてに意図や目的があって、現在の構成になっているんです。

一部あなたがたのご要望どおりに動かない状況で、なんとか直したい。どこをどう変えれば直るのか?今日突然この場に来たぼくには、まず現状を確認することだけでも困難なんです。たとえばこのルーター。その設定がどうなっているのか、ルーターへのログインIDとパスワードを知らないぼくが、どうやって設定内容を知ることができるでしょう。

この32ポートのスイッチ。それぞれのポートに刺さっているケーブルがどこから来てどこへ行くのか。床にはいつくばってすべてを追いかけて、まず現状を図や表に落とし込む必要があります。1つたりとも間違わずに。配線だけなら目で見ればわかります。しかしそれぞれがどのIPアドレスを使っているかも調べなければなりません。

IPアドレスって、ケーブルを目で見ても分からないので、通常であればその機器にログインしてコマンドを実行する必要があります。そのためにはやはりそれぞれの機器のログインIDとパスワードが必要です。それらをすべて把握しているネットワーク管理者にいま連絡が取れますでしょうか?ネットワーク管理者がいらっしゃらない?ふぅむ。

現状、ここにあるネットワーク機器、PC、サーバー、それらの配線とそこにインストールされているすべてのプログラムとそれらのすべての組み合わせ。そのすべてに意図や目的があってこうなっています。その不具合を修正し、すべてがあなたがたの望む通り100%の状態にするには、それらのすべての意図(仕様)と、その背景にある要件(あなたがたが実現したいこと、毎日、毎月、毎年の運用のすべて)を知らなければできません。

初めてこの現場に来た私は、それを1つも知りません。しかし一方で、私がここに到着してから1時間のうちに、いま出ている問題を修正し、午後の業務が問題なくできるようにしなければいけないのです。できることには限りがあります。100パーセントの状態にするためには、時間も費用もかかります。また今度にしましょう。


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長年の疑問。トイレに行ったら必ず手を洗うじゃん?用を足して手が汚れてるからだよね。だけど、用を足したあと、パンツやズボンをはくために、手を使わなきゃいけないんだよ。汚れた手でパンツやズボンを触ると汚れがうつるでしょ?つまり、手を洗うのは、ズボンを履く前がいいのか後がいいのか。理屈からいうと前がいいんだけど、お手洗いのシステムがそれを許さないケースが多いんだ。


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営業と開発の軋轢について、これまで何度も経験してきた。なぜ軋轢が起こるのか、一例の言語化を試みる。

まず、営業の要望はこうだ。不具合や障害をゼロにしてほしい。顧客に約束した機能のリリースを絶対に遅延なく、もちろん不具合や障害もなく行ってほしい。

次に開発の意見。不具合や障害をゼロにすることは、物理的にできない。100%過不足のない見積もりはできないので、絶対に遅延や不具合や障害がないことは保証できない。しかし、スケジュールにバッファを持たせることや、二重化、三重化など設計に工夫をこらすことでリスクは減らせる。ただしそのぶんコストがかかる。

それぞれの言いたいことや気持ちは分かる。ある程度もっともな問題定義だと思う。ただ、あいだに立つ、あるいはどちらか一方の立場に立っていると(つまりプロジェクトに参加していると)、非常に骨が折れる。「その骨折りに、会社はお金を払っているんだよ」ということかもしれない。じゃあ、このまま何もしないでもいいのか?これが理想の状態なのかというと、違うと思う。

ちょっと話がそれるが、スクラム。スクラムで見積もりをする。スプリントを回してみる。見積もりどおりに完了しない。ここで営業から不満が出る。「なぜ見積もりどおりに完了しないのか?」と。一つの回答は「見積もりが甘かった」。あるいは、「見積もり時に予期できない問題が後に発見された」。

営業の言い分はこうだ。「見積もりが甘いのは、甘い見積もりを出した開発者の(お前らの)せいだろう」「見積もり時に問題を発見できないのは開発者のスキルが足りないそうだろう」。そして、最悪の場合こう続く。「徹夜してでもやれ」。

どちらの気持ちも分かるが、とくにスクラム開発の場合に理解しておかなければいけないことがあって、それは見積もりにバッファが一切含まれていないことだ。営業部門は顧客ではない。だから、見積もりのときにバッファを持たせていない。だからそこには、無視できない遅延や不具合のリスクがある。

「いや、バッファを持たせていいから絶対に守れるスケジュールをあげよ」ということかもしれない。「プロなんだから、やると言った約束を守れよ(でもバッファは持たせるな)」という場合もありそうだ。しかしまぁ、正確にはぼくも理解できていないかもしれないけど、スクラム開発ってそういうものなんじゃないかという気がする(少なくとも開発側はそう思ってると考えないと整合性が取りにくい)。

あるいは不具合や障害が出たとき。開発側は「よし。自動テストのカバレッジを上げたので二度と同じ問題は起こらないよ。Cool!」とか言ってたりする(とくに外国人エンジニア)。一方で営業の言い分はこうだ。「そもそも不具合や障害が何で起きるんだ?最初から起こらないようにしろよ。プロだろ?」(とくに日本人の営業担当者)。

ぼくにはどちらの気持ちも分かる。分かるけど、非常につかれる。問題はどこにあるのか?このままでいいのか?個人的には、それぞれが上に挙げたようなことを、ただ思い、お互いに悪感情を抱くだけで、「これが嫌だよ」「こうして欲しいよ」「こうなるといいよね」と語りかけず、ただ不満と不信だけが募っていくのが、一番問題だと思う。

前提となる進め方とゴール、理想すら共有されていない。そんなのでうまくいくわけがない。


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この世界では、強くなければ、欲しいものは手に入らないんだ。ほんのささやかなものでさえ、強さを必要とする。歩くのも、話すのも、考えるのも、どこかに行くのも強さだ。最低限の強さがなければ、最低限の欲しいものさえ手に入らない。人間の社会は、現代社会は、かつてより平等になったのだと思う。それでもいまでも、欲しいものを手に入れるには、強くあるしかないんだ。少なくとも、最低限の強さを。ぼくは、普段生きていて、強さは悪いことのように感じてしまうことがある。何かを手に入れたいという欲も、仏教では悪だろう。だけど、強さそのものは悪ではないのかな。普段なんとなく、強さをあまり良くないもののような感じるけど、それはきっと違うんだよね。強いこと自体は、たぶん悪じゃない。あとは、欲しいという欲。仏教ではそれは悪だろうけど、資本主義をベースとした今の世の中で、それはいったいどう位置付けられるんだろう。


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「みんながそうするから自分も同じようにする」ってのは、現実問題として大勢だと思う。だって、ペットの去勢とか、家畜をブロイラーに入れるのとか、どう考えてもひどい暴力だもの。でもみんな、それを受け入れてる。たいした考えもせずに。キリストが死んでくれたからいいんだって?馬鹿を言え。キリスト一人の命で償える罪だと思うか?百歩譲ってキリスト教の仕組みが働くとしても、キリストの命は初期費用に過ぎない。いずれにせよ月額保守派は必要だ。あるいは、キリスト教外の人間はどうするのか?どう罪を贖うのか?


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自意識のない生物には何をしてもいいと言うのが、現代のおおかたの価値観だろうね。正しいか、倫理的か、哲学的かはさておき。
2019-01-22 07:07:09 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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