メッセージ。 - 今月読んでいる本『ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け』

# 今月読んでいる本『ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け』

今月読んでいる本。『ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け』(松岡美樹 著、ISBN4-903065-01-4)が案外面白い。「案外」と書いたのは、5月ごろからYahoo! JAPANで公開されているドキュメンタリビデオ(書籍のもとになったもの。http://yoake.yahoo.co.jp/)を見たときに、たいして面白いと感じなかったからだ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903065014/

本書を書いているのは、新聞、出版社を経てフリーライターをやっている方とのことで、抑制の効いた堅めの文章の中に、訴えかけるものを秘めた文章となっている。法律の境界線に片足を突っ込みながらも、インターネットの可能性と面白さに突き動かされた研究者たちの、静かな喜びが伝わってくるようで、非常に共感できるのだ。

P.61には次のようなくだりがあって、膝をたたく思いがした。
  永遠の少年たちにも困ったものである。
  知的好奇心が強いあまりに、電話のタダがけなどかずかずの掟破りを平気でやってしまう。日本のインターネットを作った彼らの生態を見ていると、そもそもインターネットとはいい意味で「不健全」であり、アンダーグラウンドな要素を常にはらむものであることがよくわかる。杓子定規な社会システムに収まりきらない生き方や発想が、新しい文化を生み出すのだ。
  きれいに舗装された人工的で味気ない大通りから、一歩、裏に入ったときのうす暗い路地裏のあやしさ。街頭もなく雑然としているが、いったいそこに何があるんだろう? というわくわく感でいっぱいになる。元来、インターネットの魅力とは、そんな路地裏的などこか得体の知れないおもしろさにある。どこもかしこも舗装され、街頭ですみずみまで照らし出された世の中って息苦しいし、おもしろみがない。
2005-10-01 00:41:16 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

Comment

コメント投稿機能は無効化されています。

Trackback

TrackBack投稿機能は無効化されています。