メッセージ。 - ギークのインセンティブ
# ギークのインセンティブ
Open Source Way 2005に行ったので、そのときに少し感じたこと、話したことなど。
http://osdn.jp/event/osway2005/osm.shtml
当日は、中央大学の今野浩さんやネオテニー伊藤穣一さんのお話が面白かった。とくに伊藤さんは、一部ブログロ界隈で聞いていた悪い評判とは裏腹に、鋭い意見を言われていておどろいた。エキサイティングな講演だったと言っていい。
伊藤さんの講演内容は、ネットのムーブメントに関するもの。たとえばWikipediaを編集する人たちはどんな人たちで、なんの目的があってそれをするのか。また、日本アニメが公開されるたびに、ファンたちがよってたかって作品の英訳をしてしまう米国アニメ事情について。
伊藤さんが報告した事例は、いずれも「それが好きで、楽しいからやっている」という人たちのお話だ。彼らは金銭のためにやっているのではなく、誰かの権利を侵害したいわけでもない。アニメファンたちは、そうやって自分たちが普及の土台を作った作品が、正式に公開されるに至った時点で、自分たちの英訳コンテンツを取り下げるという。自分の好きな作品が自国で公開され友達と共有できるようになること、原作者に対するインセンティブが正常に働くことをよしと思うからだ。
そうやって好きなものを扱うアマチュアの人たちを、「違法だから」といって抑えつけることに、何の意味があるのか、どういう経済的損失があるのかと伊藤さんは問う。お金ではないインセンティブで動く人が台頭しているという指摘だった。
この「お金ではないインセンティブ」というのは、時代の空気をよく表した言葉だと思う。伊藤さんが帰られた後の、トークセッション「スーツの本音、ギークの本音」でも、「なぜギークはオープンソースを作るのか? それはビジネスになるのか?」という問いが会場から発せられた。
これも、お金じゃないインセンティブの話だとぼくは思う。会場のギークからは、「純粋に作るのが楽しいから作っている」とか、「山があるからそこに登る、それと同じだ」というような意見もあがった。たしかにそういう面もある。だけど、それだけじゃないはずだ。オープンソースも、インターネットも、内に閉じこもって作るだけで楽しいんじゃない。それをみんなで作る過程が楽しいんだ。
(続く……はず)
http://osdn.jp/event/osway2005/osm.shtml
当日は、中央大学の今野浩さんやネオテニー伊藤穣一さんのお話が面白かった。とくに伊藤さんは、一部ブログロ界隈で聞いていた悪い評判とは裏腹に、鋭い意見を言われていておどろいた。エキサイティングな講演だったと言っていい。
伊藤さんの講演内容は、ネットのムーブメントに関するもの。たとえばWikipediaを編集する人たちはどんな人たちで、なんの目的があってそれをするのか。また、日本アニメが公開されるたびに、ファンたちがよってたかって作品の英訳をしてしまう米国アニメ事情について。
伊藤さんが報告した事例は、いずれも「それが好きで、楽しいからやっている」という人たちのお話だ。彼らは金銭のためにやっているのではなく、誰かの権利を侵害したいわけでもない。アニメファンたちは、そうやって自分たちが普及の土台を作った作品が、正式に公開されるに至った時点で、自分たちの英訳コンテンツを取り下げるという。自分の好きな作品が自国で公開され友達と共有できるようになること、原作者に対するインセンティブが正常に働くことをよしと思うからだ。
そうやって好きなものを扱うアマチュアの人たちを、「違法だから」といって抑えつけることに、何の意味があるのか、どういう経済的損失があるのかと伊藤さんは問う。お金ではないインセンティブで動く人が台頭しているという指摘だった。
この「お金ではないインセンティブ」というのは、時代の空気をよく表した言葉だと思う。伊藤さんが帰られた後の、トークセッション「スーツの本音、ギークの本音」でも、「なぜギークはオープンソースを作るのか? それはビジネスになるのか?」という問いが会場から発せられた。
これも、お金じゃないインセンティブの話だとぼくは思う。会場のギークからは、「純粋に作るのが楽しいから作っている」とか、「山があるからそこに登る、それと同じだ」というような意見もあがった。たしかにそういう面もある。だけど、それだけじゃないはずだ。オープンソースも、インターネットも、内に閉じこもって作るだけで楽しいんじゃない。それをみんなで作る過程が楽しいんだ。
(続く……はず)
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