メッセージ。 - 企業広報とマスコミュニーション

# 企業広報とマスコミュニーション

http://www.sonymusic.co.jp/xcp/
 米国SONY BMG発売商品における対応に関するお知らせ

ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルさんが対応する旨プレスリリース。なんとなくこれを見て、広報というものはネットの普及によって難しくなったのかなぁと感じた。

というのも、このリリースが誰に対して書かれたものなのか想像しにくいからだ。一般の人はSONY BMGの問題を知ってるのかなぁ? ネットでは騒がれているけど、世間一般ではそれほど問題になっていないんじゃないかなぁというような気がする。ネットの外に住む人にとっては、「CCCDでもしょうがないよ。お上には逆らえないし…(´・_・`)…」みたいな感覚があるんじゃないかなぁと思うのだ。

もしそうだとすれば、関係者にとってこういうプレスリリースは、そういう(自分のビジネスにとってcompliantな)人たちの耳に届けたくない情報だと思う。だって、公式発表をすることで自分の過失を認めることになるし、そういう事件があったことが広まることになるだろうから。

たとえば昔だったら、こういう情報はCD/レコード小売店やプレーヤメーカー、一部の熱心なファンに対して伝えるべき情報だと捉えられていたんじゃないだろうか。プレスリリースにしたって、こんな風に不特定多数が見られるものではなく、一部メディアの記者や業界関係者だけの目に触れるものだったんじゃないかと想像する。

そして、そういうメディアによって「これは○○方面に届けられるべき」などといった選別が行われていたんだろう。そこには不透明性がたしかにあって、公共の益よりもメディア—メーカー間の関係が優先されることもあっただろう。でもでもでも、プレスリリースを書く人の立場になって考えれば、現在の状況というのは誰向けにどういう文面を書くのが一番良いのか分からないというのが正直なところじゃないだろうか。

たとえば「コードも書かない人に言われたくはない」騒動みたいなもので、文章に込められた意味は、コンテキストや読み手によって変わってくる。誰に読んでほしいかによって書き方や書くべき内容も変わってくる。万人向けの文章というのは書けないのだ(書いたとしてもスカスカになるだろう)。

ターゲットマーケティングというのかなぁ。情報が届くスコープと表現のコントロール、マスコミュニケーションの中でどう主体性を維持すべきかという問題は、ネット時代における興味深いテーマのような気がする。
2005-11-24 12:25:27 / ふじさわ / Comment: 0 / Trackback: 0

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